患者さんのリハビリをしていると「立ってしまえば歩ける」けど「立つのができない」という方が少なくありません
実は「歩く」ことよりも「立つ」ことの方が難しいと感じたり 苦労している方は
多いと思います
今回は そんな「立ち上がり」について解説していきます
立ち上がりはなぜ難しいか
人の体の中で特に重い部分 つまり重心はお尻の辺りとなります

「立ち上がり」というのは 低いところにあるお尻を上へと上げていく行為となります

それに対して「歩行」という行為の最中は お尻の高さは大きく変わりません

お尻という重いものを持ち上げる必要がある分
立ち上がりの方がチカラを必要とするので歩くことよりも難しいということになります

「立ち上がり」という動きを解剖してみよう!
立ち上がりに必要なことを理解するために
「立ち上がり」という動きを解剖してみましょう
①準備段階(座っている状態)
まずは座っている状態です
このとき膝が曲がっていて足首は膝より後ろにあります

②体を前へ倒す
次にお辞儀をするように体を前へ倒します
体を前へ倒すことで重心を前へと移動します

③お尻が上がる
お尻が持ち上がります
体を前へ倒したことでお尻(重心) が
土台となっている足元の上の方向へ移動していきます

お尻が足元よりも遠く後ろにあるとお尻の重さに引っ張られてしまうので
立ち上がることが難しくなります

④膝が伸びる
膝が伸びていきます (前へ倒していた体も真っ直ぐに起きてきます)

⑤立ち上がり完了
立ち上がりが完了します

立ち上がりに必要な身体の要素は?
では立ち上がりをするために必要な要素についてお話していきます
関節の柔軟性
まずは関節の柔軟性です 脚の関節の柔軟性が重要となります
①股関節
股関節では太ももを前へ動かす(屈曲)動きが重要となります

というのも 立ち上がるときに上半身を前へ倒す動きは
この動きによってできることだからです

②膝
準備段階での足首が膝より後ろにある状態をつくるには
膝を十分に曲げられることが必要です

③足首
準備段階での足首が膝より後ろにある状態をつくるには
足首の柔軟性も必要です

筋力
次は立ち上がるために必要な筋肉についてお話します
①腹筋・背筋
体を前へ倒す段階で上半身のバランスをとるためには
腹筋と背筋のチカラが必要です

②お尻の筋肉
体を前へ倒してから立ち上がりを完了させるまで
バランスをとり 脚を伸ばしていくためにお尻の筋肉のチカラが必要です

※お尻の筋肉の働きについて もっと知りたい方はこちら↓

③太ももの筋肉
お尻の筋肉と同じように 体を前へ倒してから立ち上がりを完了させるまで
バランスをとり 脚を伸ばしていくために太ももの筋肉のチカラが必要です

※太ももの筋肉の働きについて もっと知りたい方はこちら↓

④スネ・ふくらはぎの筋肉
「立ち上がり」という行為の土台となる足元に一番近い関節は足首です
その足首のバランスをとるために必要なのがスネとふくらはぎの筋肉です

※スネ・ふくらはぎの筋肉の働きについて もっと知りたい方はこちら↓

終わりに
ご覧いただきありがとうございました!
今回は「立ち上がり」という動きについて解説をさせていただきました
寿命が長くなっている今の世の中で これからも自分の足で歩いていくために
少しでも今回のお話が役に立てば幸いです
『ホーネマンの生活研究室』では皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしています
「分かりづらかったこと」「こんなことを教えてほしい」などありましたらお気軽にコメントください!
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