こんにちは!今回はPTの学生さんに向けて実習で役に立つお話をしていきます
まずは評価項目の挙げ方についてのお話からしていきましょう
カルテを見ただけで評価項目は9割挙げられる
例えばこんな患者さんがいたとしましょう
氏名:Aさん 性別:女性 年齢:85歳 診断(疾患)名:大腿骨転子部骨折
現病歴(今回の疾患を発症するに至った経緯):
〇月×日に自宅の玄関の段差を上がろうとして転倒しB病院へ搬送。検査の結果上記(大腿骨転子部骨折)の診断。
手術はせず保存的治療の方針となる。(2週間後)〇月△日に治療継続のため当院へ転院。
生活歴(元々どんな生活をしていたか):
娘様と同居の2人暮らし。娘様は日中仕事で外出しているためA様は日中独居。家事(料理や洗濯)は娘様が行っていた。A様は自宅でTVを見たりスーパーへ買い物に出かけたりして過ごしていた。
ここで学生さんに評価項目を挙げてもらうと「大腿骨転子部骨折だから疼痛検査をしてROM測定をしてMMTをして…」という感じになります
もちろんそれも大事ですが実はここまでの情報で十分評価項目は挙げられるのです
「自宅の玄関の段差を上がろうとして転倒」とあります
玄関の段差昇降が今回の受傷機転となっているので
段差昇降についてはしっかり評価する必要があると判断できます
娘様と同居していて「家事(料理や洗濯)は娘様が行っていた」というところから家事をしてもらえる環境なので家事の能力については重要ではないと判断できます
「スーパーへ買い物に出かけたりして過ごしていた」というところから
元通りの生活をするためには屋外歩行が必要であることが判ります
単なる歩行の評価ではなく「屋外を歩行できるか」も考慮して評価する必要があることが判ります
という感じに まだ会っても見てもいない患者さんのことでも
カルテの情報だけで動作(ADL)部分まで含めて評価項目も考えることができます
ここから実際に患者さんとお話しして・見て評価項目の詳細を決める
ではここから評価項目の詳細を決めるために患者さんとの問診ですべきことを考えてみましょう
「自宅の玄関の段差を上がろうとして転倒」なので玄関はどのようになっているのかはしっかり聞いておく必要があります
例えば段差の高さはどれくらいか、段差は何段あるのか、手すりはあるのか といったことを確認しておきましょう
「スーパーへ買い物に出かけたりして過ごしていた」ので屋外を歩けるようになる必要があるのですが そのスーパーまでの距離はどれくらいか、どれくらい時間をかかっていたか を聞いてどれくらい連続で歩けるようになる必要があるのかを確認しましょう
終わりに
ご覧いただきありがとうございました!
今回は『評価項目の挙げ方』について お話させていただきました
実習は大変だと思いますが今回の話が少しでも役に立てば幸いです
『ホーネマンの生活研究室』では皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしています
「分かりづらかったこと」「こんなことを教えてほしい」などありましたら
お気軽にコメントください!
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